小説・2

BL二次創作&創作。18歳未満の方はお戻りください。無断転載厳禁です。
男たるものこんな時こそ勝負パンツを穿くべし穿くべし。

床一面に、エドワードは先ほど下着屋にて買いまくってきたパンツを並べてみた。まあ、よくもこれほどド派手なものばかり…とアルフォンスなどは頭を抱えてしまいたくなるのだが。原色極彩色に動物柄。意味はよくわからない他国の象形文字がロゴのようにプリントされているものなどなど。これらに比べてればアメストリス軍部印の軍用パンツなど品が良いようにも感じてしまう。恐るべきパンツ群。

「なーアル。オレ的にはコレかなって思うんだけどさー」
比較検討熟考の上、選ばれし勇者クラスのパンツはと言えば。

真っ赤な下地に二頭の虎が、ものすごい形相で睨みあっているというもので。
まさしく勝負というか格闘というか、まあなんだ、プロレスのリングの上に立つときに履いても遜色はないと思われる、まあ、勝負に勝つ気合いは充分伝わるものなのだが……。

「兄さん。このパンツでどんな勝負を挑むわけ?」
頭を抱えたくなるのはボクだけなのかな?いやいやそうじゃないだろう。一般的にいう勝負パンツと言えば意味が違うはずである。それにこれから兄さんが挑むはずの勝負は……。

少なくともこんな格闘モードじゃないでしょう!!白とかレースとか、まあ赤でもいいけどって何言わせんのさ、えっと?もっとふわふわロマンチックの方が……ってボク今何を想像したんだよーっ!!

そんな心の叫びはエドワードには通じなかった。すでにその虎柄パンツを穿いている。
「よーっし!オーケイオーケイ。……んじゃ、アル。今夜は帰らないぜっ♪」
待ってろよ~大佐~、今夜こそは押し倒されてめくるめく大人の階段登ってやるぜ~♪
鼻歌交じりに愛しい大佐の元へと走っていく。そんな兄の後ろ姿を見送ったアルフォンスの背は哀愁に満ちていた。いや、疲れ切っていると表現した方がいいのかもしれない。

ああ、今日もお空は青いね母さん……。万が一、大佐に押し倒されたとしても。あのパンツ見たとたんに萎えると思いませんか……。

安らぎを求めたくなる今日このごろのアルフォンス。まあしかし、二人きりの兄弟。とりあえず兄のフォローは弟がするしかない。

とりあえず、並びに並べた選ばれなかったパンツたちを端から順にきっちりと畳み続けてトランクに詰める哀愁のアルフォンスであった。



‐ 終 ‐



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