小説・2
BL二次創作&創作。18歳未満の方はお戻りください。無断転載厳禁です。
静かに淡々と魔女に語りかけるロイの声。そしてロイに詰め寄る魔女を、エドワードはどこか遠くに感じていた。
――なんだ、これ。
怒りに似た、黒い感情が湧いた。
ドロドロとした気持ちで、胸の中がキモチワルイ。
――コイツ、魔女となんかあった……んか?オレの、知らない間に。
エドワードの身体の内側で、気持ちが凍りつく感覚がした。。
――オレに、プロポーズとかかましたくせに。抱きしめてきたりしたクセに。
じわりと、ロイをなじりたい気持ちが溢れてくる。
怒りが、ある。
だが、喉が詰まって声が出ない。出たところで声はひくついて、きっと口の端もそれに引きずられるように引き攣るだろう。
ならばせめて目の前にあるロイの背中を思い切り殴りたい。
そう思いはしたけれど、何故だか拳はわなわなと震えるだけで全くと言っていいほど力が入らなかった。
足をつけて立っている地面が、砂となってさらさらに崩れていくような気さえ、した。
そんなエドワードに気がつくことなくロイは淡々と問い続ける。
「貴女では駄目だと、誰が言ったのかな?」
魔女は、ロイしか見ていない。
「貴方じゃない。ロシュナ」
え……っ、と。エドワードは目を見開いた。ロイ、ではなくロシュナと魔女は言った。
「ロシュナ?それが君を捨て、君ではない誰かを選んだ人なのかね?」
「……貴方が私を捨てた理由を、教えて。どうして?何故なの?」
すう……と。胸の中にあった黒い感情が引いていった。
それと同時に、エドワードには冷静さを取り戻した。
――魔女は、結婚の約束までしていたロシュナって人に捨てられた。それで、きっとその人とコイツを混同しているんだ。
目の前のこの魔女は実体ではない。死後、思念だけが残って、それが未だに呪いとなってエドワードやアルフォンスを脅かしている。
その思念にはもはや分別や状況判断ができるだけの思考なども残されていないのだろう。
ロシュナという相手への呪いの気持ちが、無差別にまき散らされて、その呪いが、何らかの条件下のもとエドワードやアルフォンス、そしてロイの元へと降りかかっただけなのだ。
――きっとたまたま運悪く、魔女の呪いにオレ達が引っかかっちまっただけで、コイツが直接魔女と何かのかかわりがあった訳じゃない。
ほっと、息を吐く。
ロイが、魔女と何かあった訳ではない。
――よかった。
強張っていた顔が元に戻る。安心した。けれどその瞬間、ふと、エドワードは我に返る。「あれ?」と思う。
――あれ……?えっと……、さっきの黒い気持ちって……それって、嫉妬……、か?えええええオレ、何考えてるんだ。コイツと魔女に何かあった訳じゃないって分かってほっとしたって、うええええええええ?
焦りのあまり、だらだらと汗が流れてた。そう、先ほど確実に。エドワードは魔女とロイに黒い感情を抱いた。
――えっと……オレは……。
ほんの少しだけ間が空き、そして、エドワードは自分の感情を理解した。
――オレはいつの間にか、自分でも気がつかないうちにコイツのことを……そんなに想ってたんかよ。見なおしたとかちょっと好きかもとかそういう程度じゃなくて……。よく考えればわかるだろ。魔女とコイツが……なんてありえないってことくらい。だって、魔女はもう何年も前にとっくに死んでて、今目の前にいるのはそのユーレイとか恨みを抱えたまま死んじまったその残りの思念とか実体じゃなくて、世の中に無差別に振りまいてる呪いっつー、そういうカンジのものだってわかるじゃねえかよ。オレは、嫉妬して、目の前の状況もわかんなくなってそれで……。
嫉妬。
そう、文脈として頭の中で組み立てた途端にエドワードは声にならない叫びを上げだ。目眩がしそうだった。
――うわあああああああああっ。魔女とコイツが結婚の約束とかそういうものをオレの知らないうちにしていたかとか勝手に誤解して、勝手に嫉妬に狂ったっていうのかようわああああああ……っ!
パニック、だった。
魔女に、ロイが何かを尋ねている声も。
魔女が、ロイを問い詰めている声も。
今のエドワードには聞こえなかった。
ホークアイやアルフォンスが魔女を警戒し、結界を何十に張り巡らし緊張した空気のまま魔女を見つめ続けているのも何もかも。
何も見えない。何も聞こえない。周りの状況などはすべて意識の外に追いやられた。
エドワードはただ自分の中に吹き荒れる嵐に翻弄された。
――なんだ、これ。
怒りに似た、黒い感情が湧いた。
ドロドロとした気持ちで、胸の中がキモチワルイ。
――コイツ、魔女となんかあった……んか?オレの、知らない間に。
エドワードの身体の内側で、気持ちが凍りつく感覚がした。。
――オレに、プロポーズとかかましたくせに。抱きしめてきたりしたクセに。
じわりと、ロイをなじりたい気持ちが溢れてくる。
怒りが、ある。
だが、喉が詰まって声が出ない。出たところで声はひくついて、きっと口の端もそれに引きずられるように引き攣るだろう。
ならばせめて目の前にあるロイの背中を思い切り殴りたい。
そう思いはしたけれど、何故だか拳はわなわなと震えるだけで全くと言っていいほど力が入らなかった。
足をつけて立っている地面が、砂となってさらさらに崩れていくような気さえ、した。
そんなエドワードに気がつくことなくロイは淡々と問い続ける。
「貴女では駄目だと、誰が言ったのかな?」
魔女は、ロイしか見ていない。
「貴方じゃない。ロシュナ」
え……っ、と。エドワードは目を見開いた。ロイ、ではなくロシュナと魔女は言った。
「ロシュナ?それが君を捨て、君ではない誰かを選んだ人なのかね?」
「……貴方が私を捨てた理由を、教えて。どうして?何故なの?」
すう……と。胸の中にあった黒い感情が引いていった。
それと同時に、エドワードには冷静さを取り戻した。
――魔女は、結婚の約束までしていたロシュナって人に捨てられた。それで、きっとその人とコイツを混同しているんだ。
目の前のこの魔女は実体ではない。死後、思念だけが残って、それが未だに呪いとなってエドワードやアルフォンスを脅かしている。
その思念にはもはや分別や状況判断ができるだけの思考なども残されていないのだろう。
ロシュナという相手への呪いの気持ちが、無差別にまき散らされて、その呪いが、何らかの条件下のもとエドワードやアルフォンス、そしてロイの元へと降りかかっただけなのだ。
――きっとたまたま運悪く、魔女の呪いにオレ達が引っかかっちまっただけで、コイツが直接魔女と何かのかかわりがあった訳じゃない。
ほっと、息を吐く。
ロイが、魔女と何かあった訳ではない。
――よかった。
強張っていた顔が元に戻る。安心した。けれどその瞬間、ふと、エドワードは我に返る。「あれ?」と思う。
――あれ……?えっと……、さっきの黒い気持ちって……それって、嫉妬……、か?えええええオレ、何考えてるんだ。コイツと魔女に何かあった訳じゃないって分かってほっとしたって、うええええええええ?
焦りのあまり、だらだらと汗が流れてた。そう、先ほど確実に。エドワードは魔女とロイに黒い感情を抱いた。
――えっと……オレは……。
ほんの少しだけ間が空き、そして、エドワードは自分の感情を理解した。
――オレはいつの間にか、自分でも気がつかないうちにコイツのことを……そんなに想ってたんかよ。見なおしたとかちょっと好きかもとかそういう程度じゃなくて……。よく考えればわかるだろ。魔女とコイツが……なんてありえないってことくらい。だって、魔女はもう何年も前にとっくに死んでて、今目の前にいるのはそのユーレイとか恨みを抱えたまま死んじまったその残りの思念とか実体じゃなくて、世の中に無差別に振りまいてる呪いっつー、そういうカンジのものだってわかるじゃねえかよ。オレは、嫉妬して、目の前の状況もわかんなくなってそれで……。
嫉妬。
そう、文脈として頭の中で組み立てた途端にエドワードは声にならない叫びを上げだ。目眩がしそうだった。
――うわあああああああああっ。魔女とコイツが結婚の約束とかそういうものをオレの知らないうちにしていたかとか勝手に誤解して、勝手に嫉妬に狂ったっていうのかようわああああああ……っ!
パニック、だった。
魔女に、ロイが何かを尋ねている声も。
魔女が、ロイを問い詰めている声も。
今のエドワードには聞こえなかった。
ホークアイやアルフォンスが魔女を警戒し、結界を何十に張り巡らし緊張した空気のまま魔女を見つめ続けているのも何もかも。
何も見えない。何も聞こえない。周りの状況などはすべて意識の外に追いやられた。
エドワードはただ自分の中に吹き荒れる嵐に翻弄された。
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