小説・2
BL二次創作&創作。18歳未満の方はお戻りください。無断転載厳禁です。
運命に、決められて、好きになったというのなら。
初めて出会ったその時に恋に落ちるかもしれない。
でも違う、とエドワードは思った。
出会っただけで好きになったんじゃない。ロイを知って。触れて。
自分の意志で、好きだと思った。
ならば、それでいい。
それだけで。
その気持ちは、すとんと、エドワードの胸の中に落ちる。
もう、じたばたと慌てることもない。
納得するように、当たり前の事象のように、もうその気持ちはエドワードの心の中にあった。
だから、考えるより先に声が出ていた。
「ロイ」
名を呼んだ。
今まで、ずっとエドワードはロイを名前で呼ばなかった。
出会いがしらにプロポーズなどをしてきた相手の名など呼ぶ気もなかったからだ。
そして、それが意地のようになり、ずっと呼ばずに来た。
けれど今。
呼ばれたことに、ロイも驚いてエドワードを見た。
「何かね、エドワード」
固い口調で答える。名を呼ばれた嬉しさを引き締めようと、無理に作ったような声で。
「運命、とかってアンタは信じてたんだっけ……?」
確か、出会ったその時に。一目惚れなどという甘いものではないなどと言われた記憶があった。
「オレは運命なんて信じないけど、アンタは?運命通りじゃなくて、アルの言うことが確かならもう運命は変わったってことになるんだけど……」
運命で、好きになったのなら。
運命が変われば気持ちも変化するのだろうか。
知りたかった。
もしも、今も。ロイがエドワードのことを好いていてくれるのならば。
この気持ちを伝えたい。
しかし、運命が変わったことでロイの気持ちまで変わってしまったのなら。
――なんなんだろうな、運命、なんて……。
「運命……か。半ば信じているよ?君と出会ったその時は運命を感じたしな」
「……ふーん、」
少しだけ、エドワードはがっかりした。
やはり、とも思った。
――やっぱり、コイツは……運命とかでオレのこと、好きになったとかなんだな。だから今はもうそうでもないんだな。
「だが、運命など自分の意志で変えられるものだろう。ならば君のような相手に巡り合いたいと思った私の意志が君と私を引き合わせたと考えてもいいのではないのかね」
「へ?」
「だから。君と私が出会ったのは私が強く望んだからだとだね」
「なんだよそれ……」
「運命だの自分の意志だの。そんなものは目に見えないものだろう。アルフォンスのカードが告げてくれる未来は、当たるのかもしれないが、当たらないかもしれない。信じるも信じないも自分の意志であり、また、どんな未来を選択したいかなど、結局は決めるのは自分だろう。決めたのは運命によるものか意志によるものかなどわからん。だが、私は……私ならば、これまで歩んできた私の人生は自分自身で掴み取ってきたものだとということができる。ならばこれからの未来も私自身の意志で掴み取る。そう言い切ってしまえばいい」
「言い切るって、」
「言い切って構わんだろう?運命か意志かなど、どちらが正解かなど誰にもわからん。ならば自分の思う通りに判断してかまわんものだ」
ただそれだけだとロイは言い捨てる。
「根拠とか、そーゆー物は……」
「いらんな。私の気持ちは私が決める。ただそれだけのことだろう」
「ふーん……」
そして、笑う。
「まあ、私にとって『運命』などという単語は単なる口説き文句でしかないな。運命を感じて恋に落ちた。実にロマンチックだろう?」
半ば軽い冗談のように告げる。
「あ、アンタなあ……」
思わず、エドワードは笑ってしまった。
運命なんて口説き文句。
冗談だと分かったからこそ、気が抜けた。
「まあ、君が何を気にしているのかわからんが……。自分の人生のことだ。運命だろうが意志だろうがどちらでも構わんのではないのかね?どのみち君なら運命だなんだといわれようが、君は君の道を行く。運命に死というものを告げられても、今回のようにそれを覆してしまったではないか」
「あー……」
「ならば、今までもこれからも、君の未来は君の意志で掴み取るものだろう?」
違うのかい?と問われて納得した。
「そっか……、そーだな……」
もしもロイが運命で自分を好きになって、運命が変わったから好きではなくなった。
仮にそうだとしても。
もしも、そうだとしても。
運命は自分で変えられるものなら。
――好きになってもらえばいいじゃんか。オレのこと、ロイの意志でロイが好きだって思ってもらえるようになればいいんだよな。
決めるのは自分。
エドワードは息を思い切り吸った。
真正面からロイを見る。
「なあ……ロイ。アンタの掴み取りたい未来ってどんなの?」
聞きたかった。
未来が自分の意志で掴み取るものなら。ロイはどんな未来を掴むつもりでいるのか。
その未来に、自分の居場所はあるのか。
「私はこの国の王位を継ぐ。掴みたいというよりも、すでに決定事項だがな」
未来を語るには固い口調だった。エドワードはすぐに思い出した。
――王位は従兄殿の私物ではなく、現状この私が王位継承者として女王からの指名を受けております。ですが、従兄殿がそう仰るのならばせいぜい長生きをしていただきましょうか。……貴方がお亡くなりになったその後即座に私が王位を継承いたします。
ロイが、王位を継ぐのはあの従兄が死んだあと。そう言っていた。
ならば、それは輝かし未来でもなんでもなく、痛みを伴うもの。
恨んだり、悲しんだり、辛かったり。
そういうマイナスの、もの。
積み重なれば、恨みとなる。魔女になり、他者に痛みをまき散らす。
――そういう可能性もあるんだ……。
つらくて悲しくて、自分の意志で乗り越えようとしても無理で。
どうしても駄目で。
恨んで。
呪って。
苦しさのあまり、そうなることだってある。
もしも、と。エドワードは考える。
――もしも、ロイが。オレを好きじゃなくて。ほかの誰かを好きになったとしたら、オレは、その時どう思うんだろう……?
ラフィーナのように、すべてを呪って魔女になるのかもしれない。どうして、どうして自分を好きになってくれなかったのか。どうして好きだと言ってくれたはずなのに、もう心変わりをしたのだろうか、と。
そうして分別もつかないまま、すべてを呪う。
――もしもアルフォンスが。自分だってロイの運命の相手なんだからロイと結ばれるのは自分だって言い出したらどうするんだろ……。
可能性ならいくらでもある。
もしも、という仮定ならいくらでも考えることができる。
王位を継ぐというロイのそばに、自分の居場所はあるのかどうか。
――好きとか言ってそれで終わりじゃないもんな。
未来を紡ぐ。選択する。
どんな未来を選びたいのか。
自分の意志で決めていいのなら。
その意思を、言葉に出す。
「なら、オレが、運命とかじゃなくて、自分の意志でロイのこと、好き……とか言ったらアンタ嬉しいか?王位とか継ぐって決めてるロイのそばに、オレの居場所ってある……?」
「もちろん」
即答だった。
驚きつつも、ロイは即座に答えた。
「運命だろうが意志だろうが私は君が好きだ。ならば、君も私が好きと言ってくれるのならば、これ以上嬉しいことはない」
ロイもエドワードをまっすぐに見つめてきっぱりと告げてきた。
ならば、言う。
いいや、言いたい。
世界をf震わすような大きな声で。きっぱりと、届けと。
エドワードは息を吸い込込む。
そして、吐いた。
「オレはロイのそばにいたい。オレの未来はアンタと一緒がいい」
晴れ渡る青空のような笑顔で、エドワードはありったけの声を轟かせた。
初めて出会ったその時に恋に落ちるかもしれない。
でも違う、とエドワードは思った。
出会っただけで好きになったんじゃない。ロイを知って。触れて。
自分の意志で、好きだと思った。
ならば、それでいい。
それだけで。
その気持ちは、すとんと、エドワードの胸の中に落ちる。
もう、じたばたと慌てることもない。
納得するように、当たり前の事象のように、もうその気持ちはエドワードの心の中にあった。
だから、考えるより先に声が出ていた。
「ロイ」
名を呼んだ。
今まで、ずっとエドワードはロイを名前で呼ばなかった。
出会いがしらにプロポーズなどをしてきた相手の名など呼ぶ気もなかったからだ。
そして、それが意地のようになり、ずっと呼ばずに来た。
けれど今。
呼ばれたことに、ロイも驚いてエドワードを見た。
「何かね、エドワード」
固い口調で答える。名を呼ばれた嬉しさを引き締めようと、無理に作ったような声で。
「運命、とかってアンタは信じてたんだっけ……?」
確か、出会ったその時に。一目惚れなどという甘いものではないなどと言われた記憶があった。
「オレは運命なんて信じないけど、アンタは?運命通りじゃなくて、アルの言うことが確かならもう運命は変わったってことになるんだけど……」
運命で、好きになったのなら。
運命が変われば気持ちも変化するのだろうか。
知りたかった。
もしも、今も。ロイがエドワードのことを好いていてくれるのならば。
この気持ちを伝えたい。
しかし、運命が変わったことでロイの気持ちまで変わってしまったのなら。
――なんなんだろうな、運命、なんて……。
「運命……か。半ば信じているよ?君と出会ったその時は運命を感じたしな」
「……ふーん、」
少しだけ、エドワードはがっかりした。
やはり、とも思った。
――やっぱり、コイツは……運命とかでオレのこと、好きになったとかなんだな。だから今はもうそうでもないんだな。
「だが、運命など自分の意志で変えられるものだろう。ならば君のような相手に巡り合いたいと思った私の意志が君と私を引き合わせたと考えてもいいのではないのかね」
「へ?」
「だから。君と私が出会ったのは私が強く望んだからだとだね」
「なんだよそれ……」
「運命だの自分の意志だの。そんなものは目に見えないものだろう。アルフォンスのカードが告げてくれる未来は、当たるのかもしれないが、当たらないかもしれない。信じるも信じないも自分の意志であり、また、どんな未来を選択したいかなど、結局は決めるのは自分だろう。決めたのは運命によるものか意志によるものかなどわからん。だが、私は……私ならば、これまで歩んできた私の人生は自分自身で掴み取ってきたものだとということができる。ならばこれからの未来も私自身の意志で掴み取る。そう言い切ってしまえばいい」
「言い切るって、」
「言い切って構わんだろう?運命か意志かなど、どちらが正解かなど誰にもわからん。ならば自分の思う通りに判断してかまわんものだ」
ただそれだけだとロイは言い捨てる。
「根拠とか、そーゆー物は……」
「いらんな。私の気持ちは私が決める。ただそれだけのことだろう」
「ふーん……」
そして、笑う。
「まあ、私にとって『運命』などという単語は単なる口説き文句でしかないな。運命を感じて恋に落ちた。実にロマンチックだろう?」
半ば軽い冗談のように告げる。
「あ、アンタなあ……」
思わず、エドワードは笑ってしまった。
運命なんて口説き文句。
冗談だと分かったからこそ、気が抜けた。
「まあ、君が何を気にしているのかわからんが……。自分の人生のことだ。運命だろうが意志だろうがどちらでも構わんのではないのかね?どのみち君なら運命だなんだといわれようが、君は君の道を行く。運命に死というものを告げられても、今回のようにそれを覆してしまったではないか」
「あー……」
「ならば、今までもこれからも、君の未来は君の意志で掴み取るものだろう?」
違うのかい?と問われて納得した。
「そっか……、そーだな……」
もしもロイが運命で自分を好きになって、運命が変わったから好きではなくなった。
仮にそうだとしても。
もしも、そうだとしても。
運命は自分で変えられるものなら。
――好きになってもらえばいいじゃんか。オレのこと、ロイの意志でロイが好きだって思ってもらえるようになればいいんだよな。
決めるのは自分。
エドワードは息を思い切り吸った。
真正面からロイを見る。
「なあ……ロイ。アンタの掴み取りたい未来ってどんなの?」
聞きたかった。
未来が自分の意志で掴み取るものなら。ロイはどんな未来を掴むつもりでいるのか。
その未来に、自分の居場所はあるのか。
「私はこの国の王位を継ぐ。掴みたいというよりも、すでに決定事項だがな」
未来を語るには固い口調だった。エドワードはすぐに思い出した。
――王位は従兄殿の私物ではなく、現状この私が王位継承者として女王からの指名を受けております。ですが、従兄殿がそう仰るのならばせいぜい長生きをしていただきましょうか。……貴方がお亡くなりになったその後即座に私が王位を継承いたします。
ロイが、王位を継ぐのはあの従兄が死んだあと。そう言っていた。
ならば、それは輝かし未来でもなんでもなく、痛みを伴うもの。
恨んだり、悲しんだり、辛かったり。
そういうマイナスの、もの。
積み重なれば、恨みとなる。魔女になり、他者に痛みをまき散らす。
――そういう可能性もあるんだ……。
つらくて悲しくて、自分の意志で乗り越えようとしても無理で。
どうしても駄目で。
恨んで。
呪って。
苦しさのあまり、そうなることだってある。
もしも、と。エドワードは考える。
――もしも、ロイが。オレを好きじゃなくて。ほかの誰かを好きになったとしたら、オレは、その時どう思うんだろう……?
ラフィーナのように、すべてを呪って魔女になるのかもしれない。どうして、どうして自分を好きになってくれなかったのか。どうして好きだと言ってくれたはずなのに、もう心変わりをしたのだろうか、と。
そうして分別もつかないまま、すべてを呪う。
――もしもアルフォンスが。自分だってロイの運命の相手なんだからロイと結ばれるのは自分だって言い出したらどうするんだろ……。
可能性ならいくらでもある。
もしも、という仮定ならいくらでも考えることができる。
王位を継ぐというロイのそばに、自分の居場所はあるのかどうか。
――好きとか言ってそれで終わりじゃないもんな。
未来を紡ぐ。選択する。
どんな未来を選びたいのか。
自分の意志で決めていいのなら。
その意思を、言葉に出す。
「なら、オレが、運命とかじゃなくて、自分の意志でロイのこと、好き……とか言ったらアンタ嬉しいか?王位とか継ぐって決めてるロイのそばに、オレの居場所ってある……?」
「もちろん」
即答だった。
驚きつつも、ロイは即座に答えた。
「運命だろうが意志だろうが私は君が好きだ。ならば、君も私が好きと言ってくれるのならば、これ以上嬉しいことはない」
ロイもエドワードをまっすぐに見つめてきっぱりと告げてきた。
ならば、言う。
いいや、言いたい。
世界をf震わすような大きな声で。きっぱりと、届けと。
エドワードは息を吸い込込む。
そして、吐いた。
「オレはロイのそばにいたい。オレの未来はアンタと一緒がいい」
晴れ渡る青空のような笑顔で、エドワードはありったけの声を轟かせた。
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