小説・2

BL二次創作&創作。18歳未満の方はお戻りください。無断転載厳禁です。

■ 第一章 その2 ドラゴンぶーちゃん登場編 ■


「ドラ……ゴン。しかもこれ、青、か……?」
目の前に居やがるそれを初めは信じられなかった。
ブルードラゴン。
この世界には竜と呼ばれる種類の生き物がいる。空の王者。美しき魔物。大きさは様々だ。というか奴らは伸縮自在だ。掌に収まるサイズになったかと思えば城よりもデカくなりやがる。
一つだけ言えることはヤツらは人には懐かない。
孤高の存在なんて形容までされることがある。
色も様々だ。イエロー、グリーン、レッド。だが、鱗が青に輝くブールドラゴンは伝説級の生き物だ。
竜の中の竜。ヤツらに王という概念はあるんだかないんだか知らんが、まあ、人間で言うところの王族クラスがブルードラゴン何である。

……それが、ユウに、思いっきり懐いてる。

おい。
ちょと待て。

「あれー?ぶーちゃんなんでいるのー?」

おい。
マジでちょっと待て。

ユウはブルードラゴンに両手を伸ばして、抱き寄せて。そいつもユウの頬になんてすり寄って。そんでもって……ぶーちゃん?なんだそりゃその名前は。
「もー、おれはイケニエになるんだから来ちゃだめだっていたったろー?みんなのところに帰んなよね」
いい子だからね、来ちゃ駄目だよっ!めっ!なんてユウ、おいオマエ。それがどんな生き物か知ってんのか?
ブルードラゴンはぐるぐるぐるぐる喉を鳴らしている。抗議でもしてるみてえだ。
「え?だめだよー。ぶーちゃんと魔物が戦っちゃ。ぶーちゃん怪我したら痛いでしょ?魔物さんすっごく強いって」
更に強くぐるぐるぐるぐる喉鳴らして。
「だっておれイケニエさんだもん。しかたないよー。だからおれ行くねー、ぶーちゃん元気でねー」
にぱっと笑ってるけど。ちょっと待て。
ブルードラゴンなんて従わせられるんだったら大人しくイケニエなんかにならねえで魔物の一匹や二匹倒させろよ。
「そんなのどうでもいいじゃねえかっ!ユウ、イケニエになって死ぬのオマエなんだぞ使えるもんは何でも使っちまえっ!ドラゴン従わせられんなら、魔物倒すなりオマエがドラゴンに乗って逃げるなりしろよっ!」
思わず怒鳴ったら、ドラゴンのほうもオレに同意するようにぐるぐる唸りやがった。だけどユウは、
「んー?だってドラゴンと人間はさーお互いに干渉しないっていうのが世界のルールでしょ?それ破ったら罰せられるのぶーちゃんだもん。おれ、そんなのいやだし」
そんな返事、しやがって。
「ドラゴンと意思疎通出来てるっていうのならオマエ、竜使いなんだろ?だったらオレなんかの使い魔となんて比較にならねえ。支配してるんだろそのドラゴンを。使ってっ戦えよっ!おとなしくイケニエなんてなってるんじゃねえよっ!」
「支配なんてしてないよー。いちおうりゅうつかいってされてるみたいだけどねおれ。ちがうんだよー、おれとぶーちゃんは主従契約とかそんなんじゃないんだよー。ぶーちゃんがねえ、おれの面倒見てくれてんの。やさしーんだよドラゴンのみんなって」
「は、あ?」
なんだそりゃ??



優太:職業竜遣いというか、あまりにどんくさいゆーたをブルードラゴンのぶーちゃんが面倒みているというのが本当の所。幼少のみぎり、うっかり竜の生息地に迷い込んでしまったユウを、ぶーちゃんは追い出すか脅すかいっそ喰って腹の足しにしようとしたがあまりの毒気の無さに面食らっているうちに、なんだかユウのペットになりました。普段は手のひらサイズになってユウの服の中ですやすや寝ているか、ドラゴンの生息地である険しい山の山頂に居るかどっちか。気の向くまま適当にふらふらしているぶーちゃん。ですが、7割がたゆーたの傍に居ます。たまに生息に帰ります。一応ぶーちゃんは竜族の長的な位置にあるので、他のドラゴン達もユウには逆らわないというか、面倒見ているというか……。変なヤツと思いながら黙認状態である。ま、長なんて有事に役に立てばいいのよ的なドラゴン族、長さえも放任。
この世界には竜使いといわれる職があるが、いろんな世界法則やら魔法やらを身に付けた上で竜を支配するという感じなので、ユウのようにうっかりドラゴン族に面倒を見てもらっている人間自体が世界初。普通はドラゴンは人間なんかに向きもしないし、一般の竜使いに隷属されそうになったら命がけで抵抗する感じ。
ちなみにぶーちゃんには赤い色のドラゴンの嫁がおります。のちにゆーたにより「れーちゃん」と命名される。そして、イエロードラゴンの「いっくん」というのも後に登場予定。

青の一族:昔々に、滅ぼされた一族。青い髪と青い目が特徴。基本的にゆーたのように、おっとり系が多かった。正直どんくさい。ドラゴンが食うぞというカンジに大口開けてみても「うわあ、おっきい口だあ」みたいにニコニコしている人種なので呆気にと垂れるドラゴン多数。何だこの迷惑な人間と思いつつ、その人間の面倒をうっかり見てしまうドラゴンが多数いた。それだけなのに、当時の国の支配者からは「ドラゴン遣いは危険だ」とみなされ滅ぼされた不幸な一族。ゆーたは先祖帰り的に青い髪青い目ですが、青の一族の血はかなり薄い。桐哉・恭也も青の一族の血は引いてはいるがこちらも同じように相当薄い。単に10世代前くらいに青の一族の人がいた、くらいで三人とも青の一族という意識も薄い。恭也は祖父から青の一族の昔話をよく聞いていたとかそういうカンジで、ゆーたを見つけた時にあれ?同じ一族だなあとか思ってゆーたを保護。

→その3桐哉隊長編へワープ!!
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